絵本DXと多様な作品が絵本市場を盛り上げています
ものづくり新聞は製造業の方々向けに改革改善、IT/DX化事例のインタビュー記事を掲載しているWebメディアです。
先日、ものづくり新聞のインタビュー取材に応じていただいた印刷会社フジプラスの江藤直軌さん。デジタル印刷を活用し印刷業界をDXで変えていくという江藤さんは最後に以下のようなコメントをおっしゃっておられました。
印刷会社の中にある既成概念をどれだけ外せるか、がポイントになってくると思っています
お客さまがSTUDIO BUKIのサイト(https://hellobuki.com/)で子供の情報(名前・誕生日など)を入力すると、その子が主人公となる絵本ができあがり、サイト上で絵本の全ページを見ることができます。
お客さまは絵本の内容を確認しながら写真を追加したり、話の内容を変えるなどの各種のカスタマイズを加えて絵本を完成させたら、そのまま購入が可能です。購入後は自動的に印刷ファイルを生成・印刷パートナーであるフジプラスに転送し、印刷~製本~梱包~発送をスピーディーに行います。
一人一人の子供たちに別々の絵本が印刷され、それが手元に届くという仕組みです。これまでは絵本といえば自分ではない誰かが主人公でしたが、これからは「自分が主人公」の絵本を作って読むという新しい体験ができるようになります。
出版業界全体としては市場が縮小しつつある中、実は絵本だけは堅調な市場です。KDDI研究所のレポートによれば、児童書、絵本の出版販売額は微妙に増加しているのです。
このレポートによれば、絵本市場の成長の影には、教育政策や作品の多様化などのさまざまな要素があると述べています。たとえば、異分野の人たちが携わった作品も多数出ています。キングコング西野さんの執筆した「えんとつ町のプペル」は有名ですが、そのほかにもたくさんの作品があります。断捨離で有名な近藤麻理恵さん「キキとジャックス」、ミュージシャンである木村カエラさん「ねむとココロ」などです。
これらの多様性に加えて、出版だけではなく、雑貨販売や展示会などいろんなチャンネルで展開する例も出てきています。最近有名な絵本の工藤ノリコさん「ノラネコぐんだん」シリーズはシリーズ累計200万部を超える人気絵本ですが、各地での展示会、コラボカフェ、グッズ販売、Youtube動画などキャラクターを活用したマーケティング活動を積極的に実施しておられます。
もともと「ノラネコぐんだん」は白泉社の子育て情報誌『kodomoe(コドモエ)』に付録としてついていた絵本でした。
同じ白泉社発の絵本作家として有名なのがヨシタケシンスケさん。白泉社が主催する第6回MOE絵本屋さん大賞で第1位を獲得してから多数の絵本を描いておられます。その作品が「りんごかもしれない」です。
不思議なことに、工藤ノリコさんの絵本も、ヨシタケシンスケさんの絵本も、大人が読んでも面白い、という特徴があります。ぜひみなさんも一度読んでみてください。
これからも成長が期待される絵本市場。DXの力と作者の方々の多様な作品が融合して、面白い展開が待っていそうです。
印刷DXに取り組むフジプラスさんの詳細インタビューは以下に掲載されています。